ロストル式?台車式?火葬炉の種類と歴史について解説!
故人を火葬するための設備、火葬炉。火葬炉にはいくつかの種類があるのをご存知でしょうか。
今回は火葬炉の種類について、それぞれに特徴や利点を詳しく解説します。
目次
火葬炉の基本構造
火葬炉は、遺体を高温で焼却するための炉です。火葬炉の内部は耐火レンガや耐火材で覆われており、高温に耐える構造になっています。火葬炉の温度は通常800度から1200度に達し、この高温で遺体を完全に焼却します。
火葬炉の種類
火葬炉には大きく分けて「台車式」と「ロストル式」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
台車式火葬炉
台車式火葬炉は、台車に棺を乗せて火葬炉に入れる方式です。台車は耐火性のある素材で作られており、燃えることはありません。台車式の利点は、遺骨がきれいに残ることです。台車と棺の間に空間があるため、火が均等に回り、遺骨が崩れにくくなります。
ロストル式火葬炉
ロストル式火葬炉は、金属製の格子(ロストル)の上に棺を置いて火葬する方式です。ロストルの下には骨受け皿があり、遺体や遺骨が落ちても受け止められるようになっています。ロストル式の利点は、燃焼効率が高く、火葬時間が短いことです。都市部の火葬場では、需要が高いためロストル式が採用されることが多いです。
火葬炉のサイズ
火葬炉には、一般的な大きさの標準型炉、大きな棺を使用する場合などに用いる大型炉、子どもや胎児、身体の一部を火葬するために用いる小型炉の3種類があります。これらは故人の体格や棺のサイズに応じて使い分けられます。
火葬炉の温度と燃焼時間
火葬炉の温度は、通常800度から1200度に設定されます。高温であるほど燃焼効率が高く、火葬時間が短くなります。台車式火葬炉の火葬時間は平均70分程度で、ロストル式火葬炉の火葬時間は約60分程度です。最も速い炉では、40分程度で火葬が完了することもあります。
火葬炉の歴史
火葬炉の歴史は古く、紀元前から存在していました。日本では、奈良時代に火葬が広まり、平安時代には貴族や武士の間で一般的になりました。
現代の火葬炉は、技術の進歩により効率的で環境に優しいものとなっており、燃料には、都市ガスや液化石油ガスが使用されます。これにより、黒煙や煤の発生が抑えられ、環境への影響が少なくなっています。
火葬技師
火葬場では、火葬技師(火夫)と呼ばれる技術者が火葬炉を操作しています。
火葬技師は、燃焼具合を確認しながら火炎放射用のノズルを調整し、遺体が完全に焼けるように随時調節を行っています。 遺体のサイズにより繊細な調整が必要なため、この工程は自動化されず、全て手動で作業しています。火葬技師は火葬場においてなくてはならない役割を持った技術者といえるでしょう。
まとめ
火葬炉には、台車式とロストル式の2種類があり、それぞれに特徴と利点があります。また、火葬炉のサイズや温度、燃焼時間も重要な要素です。火葬技師の役割や火葬場の設備についても理解を深めることで、火葬に対する不安や疑問を解消しましょう。